「孤独」と「一人」の違い

辞書で「孤独」という単語を調べるとこんなことが書かれています。「望んでいる社会的接触と実際に感じている社会的接触のレベルに差があり、不安になること」。

難解な説明ですが、大事なことが2つ書かれています。「孤独が不安を生む」こと、そして「実際にどのくらい社会的接触があるのかと、どのくらい望んでいるのかという本人の感覚の差がポイント」だということです。

つまり、「オットーは7人しか友人がいないから孤独だ」とは言えないのです。オットーはそれ以上友人をほしいと思っていないかもしれません。それならば希望の人数と実際の人数に差はないので、不安も生まれません。

メンタル的に元気でいるために、それほどたくさんの友人は要らないという人も多いでしょう。一方で、15分以上誰とも連絡を取らないとパニックになるような人もいます。

また、1人でいても他の人と親密さを感じていることもあれば、たくさんの人に囲まれていても孤独だと感じる場合もあります。つまり、「あなたが孤独だと感じるなら孤独」なのです。孤独だと思わないなら孤独ではありません。

病気の確率が上がるケース

孤独を感じているせいで身体が病気になることもありますし、うつにつながることもあります。孤独な人はそうでない人よりも寿命が短いことも証明されています。

ですが、あわてないでください。病気の確率が上がるのは長い期間、何年も孤独でいた場合です。それにあくまで「確率が上がる」だけです。孤独な人全員が病気になるという意味ではありません。

違いをはっきりさせておきましょう。1人でいたくて1人になるのは「1人でいる」だけで、たまたま1人きりになったとか1人がつらくない場合です。

一方、「孤独」というのは1人がつらい場合に使う言葉です。なお、孤独感は生物として自然な感情で、誰もが時々感じるもの――そう、まさに「不安」と同じような存在なのです。