利益相反の疑いが指摘されている

8月4日、資源エネルギー鉱物資源省は、「SNI」の審査委員会に対し、ムルドコ氏の要請に返答してほしいと連絡している。

9月8日、ウーリン側に対して、規格に必要な条件を満たすよう要請していたという。

記事では、大統領首席補佐官を務めるムルドコ氏が、インドネシアのEVの業界団体である「インドネシア電気自動車産業協会(ペリクリンド)」の会長、さらにその加盟社の一つであるMAB社のトップを兼務するのは利益相反であり、審査の透明性が危ぶまれると批判している。

ムルドコ氏は会見で、「ペリクリンド」の利害に基づいて、他省庁に圧力をかけたことはないと反論。手紙を資源エネルギー鉱物資源省に送ったことは認めつつも、「圧力ではなくて要望」、「秩序ある行政の一環」とした。

その上で、「インドネシア国内でのウーリンのEVの使用者は約2万人であり、十分に多くの使用者がいるため、(ウーリンのコンセント規格の採用は)公共の利益にかなう」と話した。

「GB/T」が「SNI」に入るかどうかは関係省庁の間で議論中だが、今後の動きに注目が集まりそうだ。

ウーリンのEVはインドネシア2位

ウーリンの充電コンセント規格「GB/T」は中国本土では一般的なコンセントの形状で、インドネシア国内にはすでに多数のウーリンユーザーがいる。

ウーリンの立場からすると、今後の拡販を見越してムルドコ氏に自社のコンセントの規格をSNIに入れてほしいと要望するのはむしろ当然だろう。

そうでなければ別規格のコンセントに合わせるか、変換プラグを使用することになり、大打撃を被るのは目に見えている。

写真=iStock.com/Yanukit Raiva
充電コンセント規格を採用するようロビイングを行った(※写真はイメージです)