現状では日本車がシェア9割

インドネシア政府は2035年の四輪車全体の生産目標400万台に対し、LCEVの生産目標を30%(120万台)に設定している。特にBEVの開発に注力し、2025年までに四輪車の生産台数の20%をBEVにするという強気の方針を示している。

インドネシア政府がこの目標を実現するうえで、中国メーカーの参入を促したいのは理の当然というわけだ。

インドネシア自動車工業会(ガイキンド)が公表した資料によると、LCEVの販売数は、全体の1割にも満たない約7万台に過ぎない。

BEV単体だと約1万7000台と、全体の2%程度にとどまっている。ガソリン車を含むインドネシア市場全体の自動車販売台数が100万5802台であるのに比べると微々たるものだ。

現状、インドネシア国内における日本の自動車メーカーのシェアは9割を超える。

2023年にインドネシアで売れたLCEVの中では、ハイブリッド車が約8割を占め、そのほぼ全てがトヨタグループの車だ。

バッテリーEVでは中韓が圧倒的

一方、台数でみれば少ないとはいえ、BEVに限れば中韓が圧倒的なシェアを誇る。

そのため、「中国メーカーが今後も進出、生産を強め、インドネシア政府がそれに歩みを合わせれば日本車のシェアが奪われる可能性は十分にある」(自動車アナリスト)。

インドネシアはEVの車載電池に必要なニッケルの埋蔵量、生産量とも世界最大。

中国政府はその採掘、精錬も含めた総合的な関与を強めている。それを考えれば、いかに日本企業が優勢とはいえ、油断は禁物だろう。

G20サミットの公式車両に採用されたウーリン「エアEV」
写真=上汽通用五菱汽車プレスリリース(共同通信PRWire)より
バッテリーEVでは中韓が圧倒的なシェア(G20サミットの公式車両に採用されたウーリン「エアEV」)
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