「主君の顔を立てる工夫」を忘れない
(これは、殿が私を試しているのだ)
そう察した蘭丸は少し考えて、障子を一度開けてから、わざと大きな音を立てて閉め直しました。帰ってきた蘭丸に信長は尋ねます。
「どうだ、障子は開いていただろう」
「いえ、閉まっておりました」
「では、なぜ閉まる音がしたのだ?」
「殿が開けっ放しにしてきたと仰せられたのです。閉まっていたのでは、殿が間違っていたことになり恥をかきます。だからわざと音を立てて皆に聞かせたのです」
下手な言い訳を好まない信長の性格を汲んで、報告は正直にしつつ、主君の顔を立てる工夫も忘れなかったのです。さすがの信長も感服したといいます。
自分の出世を握る人物のデータを集める
後世に脚色、あるいは創作されたエピソードかもしれませんが、これを聞いて、自分も戦国の世に生まれていたら、間違いなく信長のもとで出世できるなと確信しました。
なぜなら、森蘭丸の取った手法は、僕が社会に出てから取っていった戦略と大きく重なっていたからです。
もし僕が信長に仕えていたとしたら、彼の行動をすべてメモするところから始めます。
「こんなときはこんな風に動く」
「こんなときにこんなものを飲む」
などなど、その一挙手一投足を残さずメモしていくことでしょう。
また、信長に怒られている人を見る機会も多いはずなので、「どういうときに信長は怒るのか?」というポイントは特に太文字でメモをします。
このように、自分の出世を握る人物のデータを集めることは非常に重要です。