プーチン大統領は「最長6期」に布石
ロシアも3選禁止で、当初4年だった任期が6年に延長された。エリツィンが再選されたものの任期途中で辞任し、大統領代行から2期務めたのがプーチンだ。他の人を挟めば再び大統領になることができるため、2008年にメドベージェフに譲って自らは首相に就任し、4年後の2012年に復帰した。
本来ならば、プーチンは2024年に任期満了を迎えるはずだったが、2020年の法改正で、任期上限を「通算2期」とする一方、大統領経験者の任期数をゼロとみなすことが決まった。この結果、来年の選挙にも立候補することができ、再選されればさらに2期、83歳となる2036年まで大統領にとどまることが可能になった。
韓国は、任期は5年で再選できない。1988年に第六共和国となり、盧泰愚が大統領となってから現在の尹錫悦に至るまで8人の大統領が当選している。そのうち、朴槿恵は4年足らずで職務停止になったが、ほかは任期を満了している(盧武鉉は途中、2カ月ほど職務停止)。
イギリスの「名首相」は10年務めている
国会の多数派が首相を出す議院内閣制は、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、インドがその代表だ(形式的には投票でなく国王や大統領が任命するところも多い)。
英国では任期5年だが、途中で解散されることが多い。終戦直前の総選挙で労働党が勝利して以来、労働党2期、保守党3期、労働党2期、保守党1期、労働党2期、保守党4期、労働党3期、保守党が4期目となっている。
総選挙で敗北したときに首相が交代するほか、長期政権になると任期半ばあたりで交代して次の総選挙に備える。戦後の首相は延べ18人(ウィルソンが返り咲き)で平均在任期間は、4.3年だ。
最近ではトラスがわずか49日の在任期間で退任し、イギリス史上最短となったが、サッチャーとブレアが10年余り、マクミラン、ウィルソン、メージャー、キャメロンが5年以上だから、普通は4~5年、評判が良ければ10年というあたりである。