内閣改造後も岸田政権の支持率低迷が続いている。フリージャーナリストの宮原健太さんは「今回の内閣改造は岸田首相の来年秋の自民党総裁選再選という、国民からしたらどうでもいい政局が根底にある。そのため、国民からすれば意味不明の内閣改造になってしまった」という――。
2021年10月4日、首相就任後の記者会見に臨んだ岸田文雄氏
2021年10月4日、首相就任後の記者会見に臨んだ岸田文雄氏(写真=内閣官房内閣広報室/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons)

最初に入ってきた情報は「小渕優子幹事長説」

岸田文雄首相が9月に実施した内閣改造・党役員人事は、まさに「人事のための人事」だった。

党内基盤の強化を優先した結果、新しい内閣が何をやりたいのかが見えてこない改造となり、政権支持率は低迷を続けている。

いま、永田町では10月20日に召集される臨時国会の中で、岸田首相が解散総選挙に打って出るのではないかと注目されているが、実はこれも、内閣改造で政権支持率が上がらなかったことの副作用だと言える。

政治の世界で一体何が起きているのか。

内閣改造の中身を振り返りながら、今後について展望していきたい。

今回の内閣改造劇について、永田町を取材していて最初に入ってきた情報は「小渕優子幹事長説」だった。

改造の2カ月以上前である7月からこの話は噂されていて、改造の最大のサプライズとなるのではないかと見られていた。

同時に、茂木敏充幹事長は財務大臣にスライドするという案も浮上した。

しかし、それから程なくして「茂木幹事長が続投を望んでいる」との情報が永田町を流れ始め、そのまま「幹事長続投説」が濃厚になっていった。

同じ派閥に属する小渕氏と茂木氏の権力闘争

今振り返れば、この裏には小渕優子氏の復権を目指す故・青木幹雄参院会長の意志を受け継ぐ森喜朗氏と、幹事長を続けて将来の総理総裁候補として力をつけたい茂木氏の間で情報戦が行われていたことが分かる。

永田町を駆け巡る情報は意図をもって流されることが多い。

要は、同じ平成研究会(茂木派)という派閥に属する小渕氏と茂木氏の間での権力闘争が背景にあったわけだ。

最終的に岸田首相は茂木氏の続投を選んだ。

これは岸田首相が茂木氏の幹事長続投をのむ代わりに、茂木氏は来年秋の自民党総裁選に出馬せず、岸田首相を応援するという「密約」が交わされた結果だと見られる。

岸田首相にとっては来年秋の総裁選で自身が再選することが最大の目標だ。

茂木氏はそのライバル候補として将来立ちはだかる可能性があり、幹事長を続投させてでも、ひとまず次期総裁選の安寧を選んだわけだ。

そして、この人事が今回の内閣改造の本質だと言える。