男同士の性愛を真剣に取り上げることはほとんどなかった

男同士の性愛を真剣に取り上げることはほとんどなく、笑いで済ませるところがあった。

男が男から被害を受けるというのは、恥ずかしくて情けない、とはなから相手にされない風潮があった。

そんななか、登場してくれた彼らの勇気は貴重だった。

『光GENJIへ』を読んで、性加害を受けてひとり悩んでいた元ジャニーズJr.たちが、「実は……」と手をあげて、理不尽な被害を世に訴えようとしたのだ。

だが村西とおるはまだ納得しなかった。

強制的な肛門性交は当時でも傷害罪が成立

「ケツ掘られた少年が重要なんです。ケツを掘られた少年がもっと他にいるはずです」

村西とおるお得意の露悪趣味でこんな表現を用いているが、このときの発言は実は性虐待問題の核心をついていた。

本橋信宏『僕とジャニーズ』(イースト・プレス)

1989年当時、男性による男性への強制的な猥褻わいせつ行為はなかなか事件になりにくかったし、被害者も恥じて訴えようとしなかった。

だが、強制的な肛門性交は当時でも傷害罪が成立するし、強制猥褻にあたるものだった。

これに加えて、小中学生という義務教育中の男子が肛門性交を強制されていたという二重の罪は、法改正前の当時でも逮捕案件だったのだ。

メディアも司法もなかなか問題視しないことに、村西とおるはあえて「ケツケツ」と連呼したのである。

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