政治的配慮が働いたのではないか
2018年10月9日、木原誠二氏の自宅がある東京都東村山市のマンションに捜査員たちが踏み込み、木原氏の妻に任意同行を求めた。だが、幼子がいることを考慮して、後日、出頭してもらうことになったそうだが、彼女は「事件には関与していません」「わかりません」というばかりだったという。
しかし、それから1カ月後、突然、女性刑事たちは事件から外されてしまったのである。
当時の捜査員は、政権与党の有力議員の妻が「殺人事件の容疑者」として逮捕されれば、「自民党を敵に回すよ。最終的には東京地検の意見を受けて、警察庁が『やめろ』という話」だと、文春に語っている。これが本当なら、政治的配慮が働いたのではないか。
文春によれば、愛人のA子が知人に語っていた録音音声が残っているという。そこでは「(X子さんが)連行された時、すぐ来たんですよ。私(のところ)に。あの人(木原)。『離婚できるよ』、『離婚届も書いたから』って」
しかし、「やっぱり『離婚したら、奥さんがまた連行される可能性がある』っていう話になり。(私が)『連行させればいいじゃん』って言ったら『子供もいるし、どうすんだ』みたいな話になって」という言葉が残っているというのである。愛人A子がなぜこのような録音を録っていたのか? 「重要な証言」ではあるが不可解な話である。
両親は捜査再開を求めて上申書を提出
文春は、Yを探し出して話を聞いている。彼は事件当夜X子に呼ばれて事件現場に行ったことを認め、「ただ、結局、僕の話(供述)があったとしても、やっぱり落ちない(自供しない)と。結局そこじゃないですか。守られている砦が強すぎるから」というのだ。
これが事実だとすれば、将来の首相候補にとって致命的なスキャンダルということになる。
当然ながら木原氏側の弁護士は、「事実無根」だと主張しているが、文春は2018年10月9日に刑事たちが木原邸に踏み込んだと、日時を特定している。
どちらが本当なのだろうか。文春が具体的に記述している「事実」にもし一つでも間違いがあれば、文春は廃刊に追い込まれる。私はそう考える。
7月17日付で、息子・種雄氏(享年28)を亡くした両親が、警視庁大塚署長に宛てて上申書を提出した。そこには、「私たちは種雄の死の真相を知るため、捜査を続行していただきますことを、心から望んでおります」と書かれている。
しかし、警察は動くどころか、「事件性はない」と否定する。そんな動きに両親は、「事件をなかったことにするつもり」だと批判し嘆く。
種雄氏の友人たちも「捜査の続行」を求めて署名活動を始めるそうだ。