家事のプレッシャーからようやく解放

後日事務所に来たC代さんは、「ずっと家事のことで頭がいっぱいだったから、そのプレッシャーから解放されて本当に幸せです」と、笑顔で話してくれました。夫に知られないようにと相談にやって来たあの日とは、まるで別人のようでした。

モラハラ夫は、家事は妻の業務と考えています。妻のことは家族というよりも、自分の家で働く従業員と思っているのかもしれません。だから、家事を完璧にこなさないのは業務怠慢、手間を省いて時間を有効に使おうとするのは給料泥棒、そして便利家電は業務を怠けるためのツールと考えて敵視するのでしょう。そこまでして妻を家に縛りつけて何が得られるのか、夫自身にもよくわかっていないかもしれません。

まとめ
夫のモラハラ度を測るには、「食洗機」がバロメーターかも

モラハラ夫と食洗機

ここ数年、モラハラ離婚の相談を数多く受けていますが、ある時ふと気がついたことがあります。妻たちの相談に、「食洗機のことで夫と揉めた」というエピソードが頻繁に出てくるのです。

毎日何度もしなければならない食器洗いは家事の中でも面倒なものですよね。その負担を軽減してくれる食洗機は、今や普及率は約35%、後付け設置もできる比較的安価なモデルも発売されて、決して珍しいものではなくなってきました。

このような食洗機ですが、モラハラ夫にはどうしても許せないもののようです。妻が食洗機が欲しいと言おうものなら猛反発。夫たちから出てくる言葉は、驚くほど似ています。

「食器洗いなんて大した手間じゃない」
「怠けるつもりか」
「高いだけで役に立たない」
「電気代と水道代の無駄だ」……。

食洗機のエピソードを口にする妻に「こう言われたんじゃないですか?」と聞くと、「そうなんです! どうしてわかるんですか?」と驚かれます。

こうして、私にとってモラハラ夫と食洗機は切っても切れないイメージになりました。しかし、なぜモラハラ夫は、こんなにも食洗機が許せないのでしょうか。

自分は家事を全くしない、妻は「家事をする人」

モラハラ夫の顕著な傾向として家事を全くしないというものがあります。彼らは、妻のことを「毎日身を粉にして家事をする人」と認識しています。

なぜ私が彼らの認識を知っているかというと、妻に対して「家事をするために雇っている」「家事をさぼるな」と伝えているさまざまな証拠を見ているからです。