「堅実!」中古や型落ちで揃えたマイホーム

やり始めたらきりがない家事。特に共働きや子育て中の家庭には、大きな負担となりがちです。時短や効率化を叶える便利家電も多数登場していますが、「手間と時間をかけてこそ」がモラハラ夫の思考であり――。

知人の紹介で夫と知り合ったというC代さん。当時26歳、結婚を意識し始めた頃でした。8歳上の電機メーカーの会社員という大人で堅実そうな雰囲気に、安定した結婚生活を期待して交際に発展。互いに実家暮らしのため、デートは主に週末の昼間。ランチデートで関係を深めていきました。

結婚が決まると、夫はすぐに郊外にある中古の一戸建てを購入。最低限の家具と家電、そして車まで用意してあったそうです。

C代さんは、その手際の良さに感動。どれも中古品や型落ち品で揃えていましたが、そのあたりも堅実さの表れと感じていたそうです。

家事を監視する夫、一日中掃除をし続ける毎日

結婚後まもなくすると、夫はC代さんの家事を監視するようになります。整理整頓されているか、食事をしっかりつくっているか、掃除が行き届いているか。トイレの便器裏から窓枠のほこりまで毎日チェックします。

結婚するまで家事の経験がほとんどなかった彼女は「専業主婦はそこまでやるのが普通なのか」と思い込み、ほぼ一日中、掃除をし続ける日々が始まりました。片付け、掃除、最寄り駅までの車での送迎、買い出し、食事の準備、洗いもの、また掃除……。

朝から晩まで動き続けているため、夫が帰宅する頃にはくたくたです。疲れてソファで横になろうものなら「怠けている」と注意されるため、洗っておいた食器を拭いたり、取り込んだ洗濯物を畳んだり、夫が寝るまで手を動かし続けるのが日々のルーティンでした。

それでもまだ夫婦二人の生活だったから頑張れたんです、とC代さんは振り返ります。子どもが生まれると、産後すぐで体調がままならない時も、夜泣きが続いて睡眠不足の時も、子どもが動き出して目が離せなくなった時も、夫の家事監督は続きました。

疲れ果てたC代さんが、友人から購入して便利だったと聞いた食洗機を買ってほしいと頼むと、夫は火がついたように怒り出しました。「専業主婦のくせに家事を怠けて、お前なんて生きてる意味がない」「必要な家電は全部揃えてやったのに何が不満なんだ」。今までにない剣幕で怒る夫を見て、家電を買ってほしい、家事がつらいとは二度と口にできなくなりました。