海外拠点は「日本本社の意思決定がわからない」と不満だった
私はロンドンで勤務した経験がありますが、日本企業で働く現地の方からは、意思決定のわかりづらさに対する不平不満などは山ほどありました。富士通は当時から「One Fujitsu(1つの富士通)」というスローガンを掲げてグローバル化を進めていましたが、実態は全く別会社でした。日本国内からはリーチできる情報に、海外からは手が出せなかったケースもありました。
私は最近、世界各地で従業員を集めたタウンホールミーティングを開いて、各地で彼らに「『日本と海外』という言い方は、もうしない」と約束しています。しかし、そういう言い方をしなければいけないというのは、それほどウチとソトの意識が根強くあったということです。
なぜ分けてしまうかというと、シンプルな話で恐縮ですが、やはり言葉ですよね。日本語で話しているというのは世界でビジネスをするのに障壁でしかない。世界でのビジネスは、英語を話せるか話せないかでまず決まってしまうわけです。
日本企業がグローバル化できない最大の壁は「英語」
日本がグローバル化できない最大の理由、それはやはり英語です。でも、そこを乗り越えようと努力するところで信頼関係も生まれていきますよね。
私はSEとしてドイツに出張に行ったことがありますが、会議室にはドイツ人の経営者しかいないので、最初はみんなドイツ語で話しています。しかし私が部屋に入った瞬間に、全員が英語で話し始めるのです。英語が下手な私よりもっと下手な人もいましたが、英語で話そうとする。このように、「ちゃんと話そうとする姿勢」が大事ですよね。
【今井】コミュニケーションスタイルをグローバルにする必要はありますね。