『週刊現代』誌上で14年間続いた作家・伊集院静氏の人気連載をまとめたエッセイ集「大人の流儀」シリーズ。一見強面で、人情があって、実は気配りの人……連載最後の5年間、担当した編集者がその魅力ある生き方を語る。

「伊集院だ!」と怒鳴られた

伊集院静先生の『大人の流儀』は『週刊現代』の連載をまとめたエッセイですから、雑誌掲載時の主な読者は男性です。が、単行本になると読者の半分は女性なんですね。特に60代70代の、大人の女性に人気がありました。

伊集院静
伊集院静 1950年、山口県生まれ。72年立教大学文学部卒業。81年短篇小説『皐月』でデビュー。92年『受け月』で直木賞受賞。2016年紫綬褒章を受章。23年11月24日に死去。著書に『いねむり先生』など多数。

先生の担当をしたのは2018年からの5年間で、結局、お亡くなりになるまで担当したことになります。まだ入社2年目で、担当になるとわかったときは、正直、怖かったですね。