グーグルが「王者」ヤフーに勝つと思っていた人はいなかった
現在のハイテク大企業――グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト(GAFAM)は、考えてみればすさまじい新興企業ばかりだ。
2001年にスウェーデン語版の『グローバル資本主義擁護論』(未邦訳)を書いたとき、グーグルは創業3年目の新参者で、IPOを果たすのはさらに3年先で、ヤフー、アルタビスタ、MSN検索といった検索エンジン大手と戦っていた。
1998年3月には『フォーチュン』誌に「検索エンジン戦争の勝者ヤフー」という記事が出ている。この記事によれば、多くの人はヤフーが次のアメリカ・オンライン(AOL)にすらなれるかもしれないと考えているとのことだ(はて、それってどなたでしたっけ?)。
実は、そこには類似性が確かにある。ヤフーとAOLはどちらも後に電話会社ベライゾンに買収され、同社はその後、大量の損失を出してから、最近になって両社を50億ドルで売却したのだ。
リーマンブラザーズ「アマゾンは1年以内に倒産する」
当時、アマゾンは利益を出せない新興のオンライン書店だった。そのたった1年前、有力な投資銀行リーマンブラザースは、アマゾンは無能で、赤字を垂れ流し、1年以内に倒産すると警告していた(その8年後にリーマンブラザースのほうが倒産するのだが)。
2001年の時点でマーク・ザッカーバーグはまだハーバード大学を退学してフェイスブックを創業していなかった――まだハーバード大学にすら入っていなかったからだ。
当時支配的だったソーシャルネットワークは、シックスディグリーズ、AIM、フレンドスター、そして何よりも重要なマイスペースだ。マイスペースはあまりにホットで、グーグルは2006年に同社と3年の広告契約を結べたのがブレークスルーだと考えたほどだ。
この契約は、カリフォルニア州の有名リゾート地ペブルビーチの華やかなパーティーで調印され、ボノや当時のイギリス首相トニー・ブレアといったゲストが招待された。やっとグーグルも大物とつるめるようになったか、というわけだ。