iPod誕生前のアップルは悲惨だった

一方でアップルは、パーソナルコンピュータ時代の古参だが、その後はずっと危機ばかりだったので、初期に支配的な地位を得ても、急変する市場では大した意味を持たないという事実を象徴する存在だと思われてきた。だがスティーブ・ジョブズが会社に復帰し、2001年末にiPodを発表してアップルにも新たな希望が生まれた。

2003年にアップルはやっと、わずかばかりの年次利益を計上できた。インフレ調整されたその年次利益は、現在のアップルなら14時間で稼ぐ金額だ。だがそれは、同社が携帯電話に革命を起こしたことで初めて可能になったものだ。