社会人1年目に資料作成で先輩に怒られた話
私は、社会人1年目のときに、先輩からこっぴどく怒られた経験があります。
あるクライアントに提案する資料を作成するサポートをしていたのですが、先輩からは事前に「資料は言葉をまとめるなよ」と言われていました。そのときは「どういうことだろうか?」と理解できず、図表1のような資料を作りました。
すると、資料を見た先輩から、「まとめるなって言っただろ!」と、叱られることになりました。さて、この資料の何がいけなかったのでしょうか? おわかりになりますか?
一見わかりやすい資料に見えるかもしれません。ところが、この資料を見てみると、書かれていることは否定はできないけれども、内容にほとんど新しさ(=価値)がありません。これではクライアントに提案する資料として使い物になりません。
ある程度経験があれば、こういった資料は何も調べず、何も考えずに書けるでしょう。今であればAIでもこれくらいは書いてしまいます。しかし、それでは意味がないのです。なぜなら、新しい情報がまったくないからです。
企画の立案者やプランナーの価値は、「それっぽい言葉」を作って並べることではありません。この本では、そうしたことを否定していきます。
確かに、言葉をまとめることはビジネスパーソンとして必要なスキルではありますが、まとめる意識は、ターゲット、商品、社会、現象などの本質に迫る際には障害になってしまうのです。
先ほどの資料の場合であれば、大文字の部分ではなく、小さな文字で書かれている部分や、下の「※」のところに書かれている注釈など、一見重要でないように見える部分のほうが情報として価値がある。そして、そこにフォーカスを当てた企画書のほうが価値が高いと考えます。
では、まとめないようにするためには、どうしたらよいのでしょうか?