気付きを出発点にすれば興味を引き出せる

「とりあえず、◯◯をやってみてもらっていい?」「ありがとう。やってみてどうだった?」「さらにこうすると、もっとよくなるよ」と、やってみてもらってから、振り返って気づきを引き出すとともに、伝えたかったことをフィードバックして、「じゃあ、もう一度やってみてくれるかな?」と再び体験してもらえば、理解しやすくなり、必要な行動を引き出しやすくなります。

また、伝えたいことに関して予備知識や体験はあるけれど、そのことに関して興味やモチベーションが低い場合には、『振り返り(気付き)→伝える→体験』の順で話すほうが伝わりやすくなります。「先輩がやっている◯◯の仕事を見て、どう思った?」「確かにそうかもしれないね。その仕事を今度は君にもやってもらおうと思っているんだけど、こんなふうにやってくれるかな?」と、気付きを経てから伝えて、体験してもらうと、気付きを出発点にして興味を引き出せるので、要所も伝わりやすくなります。

相手の理解度に応じて伝え方を修正していくべき

その上で「よくやってくれたね。あとはこうすると、もっとよくなるよ」とフィードバックをすると、相手は受け入れやすくなるのです。

嶋津良智『話し方の一流、二流、三流』(明日香出版社)

コミュニケーションの目的は、話が伝わって、相手から必要な行動を引き出すことだとお話ししましたよね。それには、相手に十分に伝わっているかどうかをチェックして、「ちょっとわかってないな」「ピンときてないな」から、「なるほどね!」になるまで、丁寧に軌道修正していくことも必要なのです。

さらには、「行動すると利益につながる」と考えている人には、行動によるメリットを伝えると行動してくれやすくなりますし、「行動するとリスクにつながる」と考えている人には行動しないデメリットを伝えると必要な行動を引き出しやすくなります。人は単純なので、何を欲しているかがわかると動きやすくなるのです。

一流は、相手に合わせて話す順序を変える
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