深夜の食べすぎを防ぐ「分食」のススメ
日によっては、忙しくてどうしても夕食が遅くなることもありますよね。そんなときのテクニックとして、工藤先生が提案するのが、夕食の一部を早めに食べて空腹を緩和する「分食」です。
お腹を空かせたまま食事をとると、遅い時間であっても、つい食べすぎてしまいます。ドカ食いを防ぐためにも、そしてドカ食いによる血糖値の乱高下を防ぐためにも分食は有効で、糖尿病治療でも取り入れられているそう。
この、分食テクニックは、アスリートの栄養サポートを行っている管理栄養士の柴崎真木さんも『疲れやすい人の食事 いつも元気な人の食事』ですすめています。
1日3回の食事では補いきれないエネルギーや栄養素を間食で補う「補食」をとるそうです。ただ、一般の人がそのままマネすれば単純に食べる量が増えて、肥満や生活習慣病につながります。そこで、例えば、残業する、終業後にスポーツクラブに行くなど、夕食が遅くなりそうなときには1食を0.2食+0.8食と分けて食べることを、柴崎真木さんは提案します。
特に運動をする人は、16~17時頃におにぎりやパンなど、炭水化物のとれるものをあらかじめ食べておくとよい、とのこと。
特にスポーツクラブに行ってトレーニングをする人は、エネルギー不足の状態でトレーニングをすると筋肉を分解してしまうため、せっかくの運動が台無しになってしまいます。また、運動後たんぱく質をとることで筋肉が合成されやすくなることから、夕方の分食スタイルはトレーニング効果を高めることにもなります。
『疲れやすい人の食事 いつも元気な人の食事』より
寝る直前の「こってり料理」は不眠を招く
とはいえ、「分けて食べる」のであって、総量は増やさないこと。これ、大事なポイントです。
また、分けて食べるといってもダラダラ食べにはならないように。血糖値が下がりきらないうちにダラダラ食べると長時間高血糖が続き、体内の糖化が進んでしまうためよくないそう。
ダラダラ食べてしまうのは、大抵しょっぱい系か甘い系ですよね。つまり、糖質と脂質が増えがち。食べる中身もよくありません。
もう一つ付け加えると、夕食が遅くなりそうだから分食するときには、最後の食事が寝る直前になりやすいもの。その場合は、こってりした料理は避けて、低脂肪で消化のよい食べ物を選びましょう。消化に時間のかかるものは自律神経への負担を増やし、睡眠を邪魔してしまいます。