※本稿は、梶本修身『疲労回復の専門医が選ぶ 健康本ベストセラー100冊「すごい回復」を1冊にまとめた本』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。
「何もしないでのんびり」はかえって疲れる
平日にがんばって働いてようやく迎えた週末、あなたはどうやって過ごしますか?
「まずは疲れを癒したいから、とにかく休む!」
「何もしないでのんびり過ごす!」
そんな声が聞こえてきそうです。でも、それではかえって翌日、翌週に疲れを持ち越すことになりかねません。
24歳までプロスキーヤーとして活動し、アメリカでスポーツ医学やスポーツマネジメントを学んだ後、現在はスポーツの名門大学でもあるスタンフォード大学でアスレチックトレーナーとして活躍する山田知生さんは、著書『スタンフォード式 疲れない体』のなかで、「『動かない1日』が疲れを助長する」と指摘しています。
人は動きつづけているのが本来の姿
“今感じている疲れ”を対症療法的にすばやく解消する手段として、山田さんが取り入れているのが「動的回復法」というメソッドだそうです。これは、文字どおり、体を動かして回復をはかるという方法。
「体を動かせば疲れないの?」
「そもそも疲れている日に、体を動かしたくないよ」
と思うかもしれません。でも、「1日まったく体を動かさないのはよくない」のは事実です。その理由を次のように説明しています。
「『疲れないために、じっとしている』よりも、体を軽く動かしたほうが、血液の流れが促進されて脳と筋肉にたくさん酸素を送ることができ、疲労物質の滞留を防ぐことができるのです」
「脳(中枢神経)はそもそも『体を移動させる』ためにできていて、原始時代からその構造はあまり変わっていないそうです。
つまり、人は動きつづけているのが本来の姿ということ。(中略)『働きすぎて疲れた日』は、『体を動かせていない日』であることも多いはず。だからこそ、軽い運動で疲れを取るのが効果的です」
『スタンフォード式 疲れない体』より