間食が「夕食の食べすぎ」を防ぐ

疲れたときについ手が伸びるのが、おやつ。これまでは、「間食=太るもの、健康を害するもの」が常識でした。だから、間食は我慢すべきと考えられていましたが、この常識が変わりつつあります。

最新の栄養学の知識をもとに、上手な間食のとり方を教えてくれる『太らない間食』の著者で管理栄養士の足立香代子さんは、間食はとったほうが体にいい、と言い切ります。それはなぜなのか。いちばんの理由として足立香代子さんが挙げるのが、昼食と夕食の間隔が空いてしまうと、夕食前にお腹が空いて夕食を食べすぎてしまうから。

すっかりお腹を空かせて夕食を迎えたら、ついいつも以上に食べすぎてしまった……ということ、誰しも経験があるのではないでしょうか。そのからくりについて足立香代子さんは次のように説明します。

お腹がペコペコになると、次の食事はたくさん食べたくなります。これは単に気分の問題ではなく、脳から、「次の食事はたくさん食べなさい」という信号が出るため、食欲が理性に勝って、夕食を食べすぎやすくなるのです。

『太らない間食 最新の栄養学がすすめる「3食+おやつ」習慣』より

ビタミンやミネラルをとれば一石二鳥

夕食の食べすぎは、肥満の原因になるだけでなく、疲れ、不調、老化の原因にもなります。

だから、夕食が遅くなるとき、昼食と夕食の間が空いてしまうときほど、上手に間食をとって夕食前にお腹が空きすぎないようにしたほうがいいそう。

また、間食は「足りない栄養素を補うチャンス」でもある、ともいいます。現代の食生活ではつい炭水化物が増えがちで、また、偏った食事をとっているとビタミンやミネラルが不足することも。

そこで、間食で不足しがちな栄養素を意識的にとれば、1日の栄養バランスがよくなるわけです。「間食で特に摂取したい栄養素」として紹介されているのは次の4つです。

・ビタミンC……フルーツ
・カルシウム……ヨーグルトやチーズなどの乳製品、小魚
・鉄……プルーンやレーズン、鉄分を強化したヨーグルト
・マグネシウム、亜鉛……アーモンドなどのナッツ類

太ると疲れやすくなりますし、さまざまな生活習慣病のリスクも上がります。太りにくい時間帯、太りやすい時間帯を意識して食べることは、ダイエットだけではなく、疲労を防ぐ、疲れにくい体をつくるためにもよいことです。

フルーツとスムージーボウル
写真=iStock.com/Arx0nt
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