朝の食事は熱に変わり、脂肪になりづらい

食べることは、当然、エネルギーをとること。ですが、実は「食事誘発性熱産生」といって、食べるのと同時にエネルギーの消費もうながされます。食事でとったエネルギーの一部が熱に変わって消えるのです。

食事をすると、体がポカポカ温まりますよね。その正体がコレ。ちなみに、食事誘発性熱産生は「何を食べるか」で変わります。タンパク質をとったときがいちばん大きく、摂取エネルギーのなんと約30%が熱に変わるといわれています。

糖質は6%、脂質は4%ほどなので、タンパク質がダントツで多いのです。つまり、タンパク質がいちばん脂肪としてたまりにくいということですね。

そして、この食事誘発性熱産生の量は「いつ食べるか」でも変わります。先ほどの『疲れやすい人の食事 いつも元気な人の食事』では、こんな研究結果を紹介しています。

同じ食事を「朝・昼・夕」食べた場合と、「昼・夕・深夜」食べた場合の食事誘発性熱産生を比べたところ、朝の食事では、深夜の食事に比べて4倍も熱に変わりやすかった、と。つまり、朝のほうが脂肪としてたまりにくい、逆に深夜はやっぱりたくわえられやすいのです。

体重を測る女性
写真=iStock.com/Tero Vesalainen
※写真はイメージです

夕食後のフルーツを避けたほうがいいワケ

脂肪を増やすBMAL1が多いのも夜。食べたものが熱に変わりにくいのも夜。夜に口にするものは特に選ぶ意識が大切ですね。

例えば果物。果物はヘルシーなイメージがあるかもしれませんが、糖質は多めです。だから、夜は避けたほうがいい。

料理研究家の井原裕子さんがレシピを担当し、長野県の病院でダイエット科を担当する医師の前川智先生が監修した『10分で2品! やせる糖質オフレシピ』では、「糖質オフの食材選び」と題したページで、果物について「果糖という糖質が多い」「午前中にとること」とのワンポイントアドバイスが示されています。

それに、果物は、抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富です。活性酸素が発生しやすい、活動量の多い日中に備えて、朝、果物でポリフェノールをとっておけば、抗疲労効果も期待できます。