「タイムマネジメント」という言葉の魔力に取り込まれない
時間は節約すればいい、時間をやりくりして生み出しさえすればいい、というわけではありません。「タイムマネジメント」という言葉は魅力的ですが、それにとらわれてしまってはいけません。
大切なのは、今、目の前にある時間の密度を上げて、もっとも“価値の高い時間”を過ごすこと。
「時間バリュー」を最大にする、というところがポイントです。
それはただ単に一定時間にこなすべきことを詰め込んだり、その生産性を上げたりすることだけをさすのではありません。
たとえば、工場での製造やタスク処理など、生産性をぐんぐん上げることがその時間バリューを最大にすることにつながる場合もあれば、一方で、人間の場合、ひとまず生産性は脇に置いて、あえて休んだり家族とくつろいだりすることが、その時間の使い方として最大の価値を生むということもあります。
休日はあえて詰め込まずに、心身共にリラックスさせ自分をメンテナンスすることが、翌週からの有効な時間の使い方につながる、というように。
たとえば、私は子どもたちが起きている間は、メールチェックも含めて、子どもの前で仕事はしないと決めています。
平日は朝6時から8時まで、そして夕方6時から8時まで、子どもたちと向き合って過ごせる時間は24時間のうち4時間しかありません。
保育園にお迎えに行ってから寝かしつけるまでは、子どもたちとの時間。それを優先させ、思う存分関わりたい。そうすることが、私自身のエネルギー源にもなっています。
生産性ではなく「時間バリュー」に軸足を置いた、もっとも効果的な時間の使い方が1分を変え、それを積み重ねた1日、1年を変える。さらには人生をも変える。
そんな思いで時間に向き合うようにしています。
手帳を午前3時スタートに書き換える
時間密度を上げて物事に取り組む。そう意識が変わった瞬間から、日常にあふれる小さな「細切れ時間」に気づくようになります。
朝、普段より少し早く起きて生まれる30分。お昼ごはんを早めに切り上げて生まれる10分。電車の待ち時間にできる5、6分。
やるべきことから、やりたいことまで全部をやるための時間、それは、時間密度を上げることで生み出すしかない。そうわかってから、私の留学準備は大きく進み始めました。
海外留学というゴールをめざしてとにかく走り出した私ですが、留学を決意した当時の私の1日のタイムスケジュールには、十分な勉強時間をとる余裕がありませんでした。
当時の私の平日の過ごし方は次のようなものでした。
世の中の仕事をもつお母さんの平均的なスケジュールにきっと近いでしょう。