次に、スケジュール帳のなかで1週間のうち自由になる時間を赤いペンで囲っていきます。平日はだいたい、早朝の3時から6時、通勤時間、昼休みだけでした。

この赤枠のなかに、先ほど書き出した「to doリスト」の番号を書き入れていきます。番号順とは限りません。重要度、緊急度、所要時間などを考えながら、適切なところに配置していくのです。

これをコツコツと消化していけば自動的に「to doリスト」が片づいている、という状態です。もちろん、予想以上に時間がかかって終わらなかった、急な用事が入ってその処理に追われ、予定どおり進まなかった、という場合もしょっちゅうでした。

そのときは、その日のうちにリストに×をつけてその週の残り時間で計画を入れ直したり、翌週に持ち越すなどします。

無事終了した項目については、大きくチェックをつけました。こうして目に見える形にすると、遅々としながらも片づいていっているという実感があり、大きな励みになりました。

まず「大きな石」のための時間を確保する

月曜日の早朝に書き出した「to doリスト」をこなす際、私は「大きな石」を意識するようにしています。

「大きな石」のたとえ話をご存じでしょうか。

たとえばここに、川の中流あたりにゴロゴロしていそうな大きな石が3~4個、それより小さなこぶし大の石が10個、さらに、小さめのスーパーのビニール袋に入った砂があるとしましょう。そして、その横にはひとつの空のバケツ。

このバケツにできるだけ多くの石や砂を入れるには、どのように入れていけばよいでしょうか。

正解は、まず大きな石を入れ、次に小さな石、最後に砂を入れる、という方法です。

小さな石や砂を先に入れてしまうと、大きな石のいくつかははみ出してしまいますが、最初に大きな石を入れれば、その隙間に小さな石や砂が入り込みます。最初に小石や砂を入れるより、ずっと多くの石と砂を入れることができるのです。

このやり方なら、ここにさらに水を入れることも可能です。水は石と石のわずかな隙間に入り込み、砂のなかに浸透していきます。

日頃のタイムマネジメントもこれと同じこと。人生という限られた時間に私たちがまずやるべきなのは最重要事項(大きな石)であって、小さな石のための時間はおのずと見つけられます。

目先の用事やつまらないことに時間を割いていては重要事項をやる時間がなくなってしまう、というわけです。

裏を返せば、私たちはつい、それほど重要でない事柄やつまらないことに人生の大事な時間を費やしてしまいがち、ということでしょう。

私はこの話を『7つの習慣 最優先事項』(スティーブン・R・コヴィー他著・宮崎伸治訳・キングベアー出版)で読んだのですが、いわれてみれば「大きな石」から入れるべきなのはあたりまえのこと、しかし案外忘れがちだな、と思ったものでした。