むしろ、それにより、多くの人が受講されるきっかけになればいいな、と肯定的に感じます。

オンラインによる在宅勤務が増えた現在、このような微笑ましい来客を排除する必要はないように思います。もちろん、会社によっては、それをよしとせず、ルールで禁止するところもあるようですが、私はむしろ肯定した方がいいと思っています。

理由の1つは先に述べた通り、それによりオンラインの研修や会議に参加される利用者が増えることであり、2つ目には前項に掲げた「オンライン会議ではカメラ・オンにしよう」を推進する大きなフックになると思うからです。

仮にオンライン会議や研修の場面だけ、お子さんやペットの入室を禁止にしたとしても、勤務時間の大半を占める事務的な業務時間にそれを阻止することは不可能ですし、非生産的です。

それよりはむしろ積極的に歓迎して、それによるプラス面を享受した方がいいように思うのは私だけでしょうか。

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これはオンライン時代の働き方全般にいえることですが、執務スタイルを監視し、縛ることは不可能ですし、害悪の方がはるかに大きいのです。

こんな時代だからこそ、業務で求められる成果を測定可能な指標化し、成果を中心とする評価制度を確立するタイミングにすればいいのです。プロセスで縛るのは自発性、自律を促す動きとは正反対のマネジメントスタイルだからです。

疑心暗鬼の状況から気分や感情を共有する

オンライン会議の問題点の1つとして挙げられるのは「上司が部下の、部下が上司の気持ちがわからない」というものです。

フィジカルな空間を共有することのないオンライン会議では、空気や雰囲気が把握できません。

また、中にはカメラをオフにして表情を見せてくれないメンバーもいれば、それに加えて会話中にマイクをミュートにすることで、雑談や議題に派生した別の話題などが発生しづらくなっているからです。

これらの要因が複合的に絡み合い、リーダーはメンバーへ対し、メンバーはリーダーへ対し、互いに疑心暗鬼になっているのです。

それを予防もしくは解消するための1つの手段として、オンライン会議において気分や感情を共有することをお勧めします。

コミュニケーションのコンテンツは大きく分けて3つあります。1つ目は事実と出来事。2つ目は思考。3つ目が気分と感情です。

オンライン会議により、とばっちりを受けているのは3つ目の気分や感情です。それを補完するためにお勧めなのは、研修などでよく行われるチェックインを社内会議にも導入することです。

たとえば、会議の冒頭で開催者が参加者ひとりひとりを指名し、簡単に「今の気分は?」「今日の調子は?」などと話をさせるのです。またさらに盛り上げたいなら「今の気分をお天気で表現し、『そのココロは』で補足してください」などと促すのもいいでしょう。

すると「今の気分は晴れのち曇りです。そのココロは夕方から重たいミーティングが入っているからです」「今の気分は台風一過、爽やかな秋晴れです。不安だったプレゼンが大成功に終わり、ようやく一息つけそうな状態だからです」などと、気分や感情を含んだ近況報告が共有されるからです。

ポイントは、やはり気分や感情を話すこと。そうでなくては、ただの進捗しんちょく報告となってしまい、互いの気持ちを理解するどころか、逆に冷たい空気が流れてしまうから。

日ごろ口にすることのない互いの本音が聞けることで、疑心暗鬼に陥りがちな空気が軽やかになること請け合いです。