それでも、たまには飲み会を

その名を聞けば誰もが知っているメガベンチャーのA社では、オンライン全盛時代の今でも「飲み会」を会社として推奨しています。

そして推奨のみならず、新卒中途の新入社員が入るたびにチームでの「歓迎飲み会」開催費用を全額会社負担にしている、というのです。

私が語るまでもなく、飲み会はチームビルディングに大きな効果をもたらします。

最大の効果は互いに話しかけやすくなること、です。

私たちは誰一人として、1人で仕事をすることはできません。誰かに仕事をお願いしたり、質問や相談をすることで、困難な仕事が前に進みます。

しかし、互いに話しかけやすさという素地がない場合、えてして私たちは話しかけることをためらい、そして容易にあきらめます。

ましてや、それが上司や先輩社員だったとしたら。それが自分のチーム以外の他部署の人だったとしたら。話しかけにくさは一気に倍増してしまうのではないでしょうか。

飲み会を行うことで、仕事上の役割を超えた人間と人間としての関係が築かれ、仕事のお願いや相談のハードルが下がることが起きます。ほんの少し話しかけやすくなるだけで、仕事上のコミュニケーションに大きな変化が起きることも珍しくないのです。

小倉広『常勝チームの鬼100則』(明日香出版社)
小倉広『常勝チームの鬼100則』(明日香出版社)

もちろん、コロナ禍から続く職場コミュニケーションの変化により、飲み会自体が激減した職場が多くあります。そして、その傾向はコロナ禍が落ち着いた後も続くことでしょう。

もう、以前のように頻繁に飲み会を開くことで職場コミュニケーションをオープンにすることは難しくなったといえるかもしれません。

だからこそ。

それでも、たまには飲み会を開きたいものです。

飲みニケーションだけに依存するのではなく。1on1やオンラインミーティングを工夫しつつも、それを補完する役割や仮面を脱いだ関係づくりに役立つのではないでしょうか。

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