引用するときは「マル」ではなく「テン」を使う

10のルールの中で、気をつけたいのは、(8)の「引用を示す『と』の前に」です。引用があると、「引用の文の終わりだから」という理由で「マル」を打ってしまうケースがあります。

元の文
体調が悪いので休みたい。と○○さんから連絡がありました。
改善例
体調が悪いので休みたい、と○○さんから連絡がありました。

文章の途中ですから、「。」ではなく改善例のように「、」を打ちます。

1文のなかで「テン」を多用しすぎてはいけない

多くの内容をテンでつなげて1文を長くすると、文がわかりにくくなります。テンを使った文でも、60文字におさめるように意識します。

元の文章
日本企業の独自のITシステムは、改修を重ね、複雑化・老朽化し、システム開発を担った人材は定年退職し、全容を把握する人材が乏しく、「ブラックボックス」化が加速しており、DXが進まないと、ハードの故障やソフトの不具合などに起因する経済損失が急増するといわれている。
改善例
日本企業の独自のITシステムは、改修を重ね、複雑化・老朽化している。システム開発を担った人材は定年退職し、全容を把握する人材が乏しく、「ブラックボックス」化が加速している。DXが進まないと、ハードの故障やソフトの不具合などに起因する経済損失が急増するといわれている。

元の文章ではテンですべての文がつながり、読みにくくなっています。改善例では、マルや改行で文を分けました。

1文は60字以内におさめると読みやすくなる

正確に伝えることが重視されるビジネス文書では、「1文は短く」が基本です。筆者は「1文の長さの目安=60文字以内」を推奨しています。

元の文章
クッション言葉とは、相手に対して何かを依頼したり、断ったり、相談したりするときで、とくにそのまま伝えてしまうと、とてもきつい印象を与えたり、不快感を与えてしまう恐れがある場合に、本題の前に前置きとして、添えて使う言葉のことです。(114文字)
改善例
クッション言葉は、相手への「依頼」「断り」「相談」の際に、本題に添える言葉です。(40文字)そのまま伝えると、きつい印象や不快感を与える恐れがある場合に、前置きとして使います。(42文字)

文章が長いため、まずは文章を2つに分けました。アンダーラインの部分を削り、すっきりさせました。ビジネスマンとして分かりやすく正確な文章を書くためには、本稿で紹介したひらがなと漢字の割合や、句読点の位置を意識するといいでしょう。

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