転職した人のほうが仕事への熱意が高い

さて、いかがでしょうか? みなさんが耳にする噂は、ただの噂に過ぎなかったことがおわかりいただけたと思います。

転職しようと転職しまいとキャリアはつながっています。「今までの働きぶり」が次につながっていくのであり、「今この瞬間」にどれだけ正しい行いをするかで、「この先」が決まります。過去があるから、「今」があり、その繰り返しが「未来」を輝かせます。

さらに注目していただきたいのが、このあとです。ワーク・エンゲージメント(活力・熱意・没頭)に関する質問への回答を、転職者と非転職者で比較したところ、40歳以上では、転職者の方が、より高いワーク・エンゲージメントを示し、その差は、年齢の高い層ほど広がっていたのです(図表7)。

出所=『50歳の壁

給料と幸福感は必ずしも比例しない

「仕事をしていると、力がみなぎるように感じる」「職場では、元気が出て精力的になるように感じる」といった質問項目については、40歳以上では5〜11ポイント程度転職者のほうが高く、「仕事に熱心である」「仕事をしていると、つい夢中になってしまう」についても、6〜11ポイント程度、転職者の方が高いことがわかりました。

45歳以上で特に差が大きかったのが、「仕事は私に活力を与えてくれる」「朝、目が覚めると『さぁ仕事に行こう』という気持ちになる」「仕事に没頭しているとき幸せだと感じる」「私は仕事にのめり込んでいる」などで、転職者の方が5~13ポイント程度非転職者を上回っていました。

調査では、転職をしていない人の方が月収も高く、その差は30~34歳で4万円弱、50代では7万円まで広がっていました。なのに、その50代で、たくさんもらっていない人の方が元気だったのです。