曲の途中にラップが入り込む90年代
一方で、1990年代のヒンドソングのタイトルは『夜を抱きしめて』。当時を彷彿とさせるハードロック調の仕上がりにしました。
恋の歌であることは80年代と変わりませんが、世紀末ということもあって「夜」「街」「遠い」といったちょっとダークなトーンが入ってきます。
また、ヒット曲の中にラップパートが盛んに登場するようになったのもこの頃です。個人的には中高生になりJ-POPを一番聞いていたのがこの頃だったので、やっぱりテイスト的に好みの曲に仕上がっています。
オープンな「ボク」と「キミ」の関係性
2000年代は『明日を待てば』。曲調は当時隆盛したR&Bです。映像にあるように、女子高生文化が花開いたのもこの頃でした。
歌詞の面では不況が長引く中で、ストレートな恋の歌が減少していきます。「明日」「空」「信じる」といった言葉がヒット曲の中に増加し、なんとか希望を見いだそうと模索を続ける人の姿が描かれました。
2010年代『キミにずっと』は完全にアイドルソングです。(実際に現役アイドルグループの皆さんに歌っていただいています。)
徐々に景気が上向き始める中、ヒット曲の中でも「自分」の手で明るい「未来」を見いだそう、つかみ取ろうという前向きなメッセージが歌われるようになりました。また、アイドルブームも影響してか、歌詞の中で描かれる「ボク」と「キミ」の関係性が、恋人とも、友人とも、あるいはアイドルとファンの間柄とも取れるようなものが増えてきました。