コロナ禍で「触れたい」願望が出てきた
最新の2020年代『声が響く世界で』の曲調は、近年再評価されているシティ・ポップを取り入れつつ、声質はボーカロイド風に仕立てました。
歌詞の面では、「世界」とか「全て」とか「幸せ」とか、言葉の抽象度が高くて、人によってさまざまな解釈ができる、よく言えばユニバーサル度の高い歌詞になっています。(実はこの曲が一番お気に入りで、かなり頻繁に聴いています。笑)
コロナ禍がどの程度、どのように影響してきているのかは最新のチャートも加味して分析中なのですが、例えばこの曲にも入っている「触れる」という言葉はコロナ禍以降で増加傾向にあります。行動が制限される中で、人の手に触れるとか、そういうことの価値が増したからかもしれませんね。
歌は世につれ世は歌につれ
いかがでしたでしょうか。実はこの分析、生活総研が1989年に行った同様の歌詞分析のリバイバル・リサーチでもあったのですが、冒頭に触れた「歌は世につれ世は歌につれ」という言葉の通り、歌と世相の密接な関係を私たちも改めて再認識しました。
今後も定期的にヒット曲歌詞の言葉の変化について、分析と発信をしていきたいと考えています。