かつて「兵役は芸能人の墓場」だった

かつては「兵役は芸能人の墓場」と言われた時期もあった。芸能界のスターでも、兵役期間中に忘れられてしまい除隊後に人気を大きく落とした、という実例がたくさんあったからだ。

しかし、時代が変わった。兵役期間がかなり短縮されたこと(陸軍なら現在は18カ月)、情報開示によって兵役中の様子が一般の人たちの目に触れるようになったこと、兵役中に作品が公開されて「忘れられる」ことを回避できていること……などが顕著となって、「兵役は芸能人の墓場」ではなくなっているというのが最近の傾向である。

また、兵役を通して強く逞しいイメージを付加する効果を得られた芸能人も少なくなく、軍隊での経験をプラスに転化できる事例が多くなってきたことも、兵役を前向きに捉えられる風潮を生んでいる。

それでも18カ月の空白期間を余儀なくされることは相変わらず厳しい現実であって、まだ入隊していない芸能人にとって不安が募っているのは事実である。

しかし、兵役は韓国の人たちにとって非常にデリケートな問題であり、芸能人がもし兵役に関してマイナス的なイメージで捉えられたら、人気商売の致命傷にもなりかねない。それだけに、兵役問題でミスをおかさないことが芸能人の鉄則である。

理想の男性像を変えたヨン様

韓国の男優を見ていると、「愛」と「知性」を強く感じる。

この場合の「愛」は男女の間の「LOVE」だけでなく、広く人間同士の情の深さも含んでいる。そういう意味では、「情愛」と言ったほうが適切かもしれない。

もう一つの「知性」とは、「人間に対する深い洞察」と呼べるもので、その裏付けが深い学識であることは言うまでもない。

こうして韓国の男優は「愛」と「知性」を表現する人たちだと規定することができるのだが、そのイメージをはっきり変えた象徴的な人がペ・ヨンジュンであったという。

韓国の大手紙「スポーツソウル」の芸能記者にかつて詳しく話を聞いたとき、キム・ヨンスプ記者(男性)とチェ・ヒョアン記者(女性)が次のように指摘していた。

キム・ヨンスプ「以前の韓国にいなかった新しいタイプの男優として記憶に残るのがペ・ヨンジュンです。従来の男優は、チェ・ミンスのような男性的で濃い顔立ちのタイプが多くて人気があったのですが、ペ・ヨンジュンはそれまでの男優とはまったく違っていました。すっきりしたルックスで、笑顔もソフトで優しい。とても品があるんですよ。彼の出現で、韓国女性が抱く『理想の男性観』が変わったと思います」