ネットとの相性は良さそうなTBS

TBS系は『選挙の日2022』(19時57分~25時)を放送。昨秋はサブタイトルに『太田光と問う!私たちのミライ』を掲げていたが、今回は「私たちの明日」に変わり太田の名前はなく、放送時間も40分間縮小される。やはり多少なりとも昨秋の騒動が影響しているのだろう。

しかし、メインのスペシャルキャスター・太田光はあえて変えず、周囲を『Nスタ』の井上貴博とホラン千秋、『ゴゴスマ ~GOGO!Smile!』の石井亮次、『news23』の小川彩佳が固める。ちなみにTBSの社員は井上のみであり、最も外部に頼った人員配置となった。

太田の再登板は、批判こそ多かったものの話題を集めたことも確かであり、「今回は何を言うのか」という興味本位での視聴も期待されている。太田自身、「参院選特番の『台風の目』にしたいです。前回いろいろありましたが、私の“芯”は変わらないし、今回も何が起こるかわからない感じにしたい」と語っているように、前回以上の発言があっても驚きはない。

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ただ、TBSの報道番組で視聴者の評判がいいのは、ソフトな語り口の石井亮次と、局アナらしからぬ率直な発言が目立つ井上貴博の2人。特番のテーマは「変わる」だが、自局の報道番組より『サンデー・ジャポン』の太田光を選んだこと、ゲストに経済学者・米イエール大助教授の成田悠輔や乃木坂46の山崎怜奈らが名を連ねること、メタバースを使って政治家との議論を行い視聴者も体感できることなど、ネットとの相性はよさそうだ。

異例の投票日前に特番を行うテレ東

テレビ東京系は『池上彰の参院選ライブ』(19時50分~23時42分)で、放送時間は昨秋とほぼ同じ。今回も池上彰と政党幹部や候補者との緊張感あふれるやりとりが注目を集めるだろう。

予告映像では、「今回も池上が政治の裏側に迫る」「日本政治のカラクリを解き明かします」と打ち出しているが、番組の強みは池上だけではない。大江麻理子、官邸キャップの篠原裕明、『Newsモーニングサテライト』の豊島晋作も重要な役割を担う。

実はこのところ「政治家がうまく答えると一方的に中継を切って、自分の都合がいいコメントを入れる」などのアンチ池上も少なくない。それでも民放他局に負けない視聴率を叩き出しているのは、大江、篠原、豊島とテレビ東京の報道番組への信頼性が高いからだろう。

また、昨秋もアイドルなどの芸能人を多数招いていたが、今回も宮崎美子、勝俣州和、鈴木福が出演。「家族で楽しめる選挙特番」として“永田町クイズ”なども予定されている。

さらに前日9日に『Are you ready? 池上彰の参院選直前SP』(13時28分~14時23分)も放送。特定の政党や候補者が有利・不利になるような発言ができないため、「池上無双」こそ期待できないが、意欲的な取り組みの1つだろう。