サウナバスの完成、名前は「サバス」

2022年1月、前代未聞の路線バスを使ったサウナバスが完成した。松原はイメージ通りの仕上がりに感激した。

バスの名前は、「サバス」。

「サウナの後に食べたい食事を『サ飯(さめし)』、サウナを楽しむ活動を『サ活』と呼んだりするので、それなら『サバス』がいいかもって思いました。この名前が浸透したらいいなと思っています」

筆者撮影
完成したサウナバス。名前は「サバス」。

現在、サバスは、設置場所によって変わるが1日約30万円で貸し出している。冒頭に記した通り、サバスの人気は運行する前から高かった。今年の2022年3月に兵庫県で行われた体験会では、大々的に広告を出していないのにかかわらず、予想以上の250人からの申し込みが殺到した。

利用者からの評判は上々。「降車ボタンでロウリュが出来るとは面白い!」「90度近く温度が上がって気持ちよく汗をかけた」という声があがった。

その後、なにわ健康ランド湯~トピア、奈良健康ランド、北近江リゾートなどの関西の施設へ貸し出しが決まり、2022年5月27日から29日には初の東海地方となる愛知県へ進出した。

起業からサバス製作までの道のりには、1000万円以上の多額の費用がかかった。順調にサバスの貸し出しの予約が入っており、このペースでいけば2年程度で事業資金を回収できる見込みだ。

松原が会場に顔を出すと、利用者が、サバスと一緒に貸し出している簡易水風呂や外気浴用のイスに座って、青空を見ながら心地よさそうにしていた。

その様子を見て、松原は「楽しんでもらえてよかった。自分が面白いと思ったことは間違ってなかったんだな」と思った。

人を喜ばせる仕事がしたい――。松原のその挑戦は、今も続いている。

「今は次の企画を考えています。サウナじゃないんですけどね。新しいものを作るのは大変だと思うこともあるんですが、いろんな人との出会いがあって、初めて知る世界もあって楽しいです。楽しさを持ち続けながら、企画を生み出したいです」

筆者撮影
人を喜ばせる仕事がしたいと語る代表の松原さん。
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