上司に「早急に詰めといて」と頼まれたときのダメ質問
筋の悪い質問をする人というのは、知識がない人というわけではありません。知識がなくても筋の良い質問をすることは十分可能です。むしろ、頭のいい人ほど自身の知識が足りていないことを自覚的で、かつ、その不足を補完しようと思うからこそ筋の良い質問ができるのです。
つまり、筋の良い質問ができるかどうかは、知識の有無ではなく、自身の知識の不足に自覚的であるかどうかによるのです。
そして、筋の悪い質問とは、大きくは以下2つのパターンのいずれかに当てはまります。
パターン① 相手の発信した情報に対して的を外した質問
パターン② ぼんやりした抽象的な質問
例えば、会社の上司に、急な仕事を頼まれた状況を想定します。上司から、「ここは、今回のプロジェクトの核になるから、早急にしっかり詰めておくように」と説明された際、「分かりました。ちなみに、核ってどういうことですか?」と質問しようものなら、おそらく上司には、「そこは今、重要じゃないんだよね……」「私の言いたいこと、分かってないでしょ」と言われたり、思われたりするでしょう。これは、パターン①の的を外した質問の結果です。
また、依頼内容に関する上司の説明に対して、「△△課長、それってどういうことですか?」と質問しても、上司からすると、「何が?」となってしまうでしょう。つまり、これはパターン②の質問をしたときの典型で、結局、抽象的な質問をすると相手は答えにくく、もしくは抽象的な回答しか返ってこないのです。
具体的な質問は相手の評価を得やすい
それでは、上司の説明に対して、筋の良い質問はどのようなものがあるのでしょうか?
例えば、「“早急”とは、具体的にいつまでのことを指すのでしょうか?」、あるいは「どの程度の完成度であればリスクは回避できそうですか?」。このような質問であれば、上司も「そうそう、それも説明しなきゃと思ってたから、質問してくれて助かったよ」となるでしょう。
このような筋の良い質問ができることで、「こいつ、できるな!」、「センス良いな」と相手からの期待や高評価につながります。
それでは、筋の悪い質問を避け、筋の良い質問ができるようになるためにはどうすればいいのでしょうか? 実は、その方法はいたってシンプルです。筋の悪い質問を生む根本原因を叩けばいいのです。