「質問スキル」はプレゼンスキルよりも大事
「キミ、私が今言ったこと、ホントに分かってる?」
「今それ聞いて何になるの?」
自分なりに質問してみたものの、相手からすると的外れな質問になってしまったという経験はないでしょうか。
その一方で、
「キミ、いい質問だね」
「その質問、鋭い!」
そのようなリアクションを得られる人もいます。
たった1つの質問で、相手からの評価が分かれてしまうことはよくあることです。仕事などで上司や先輩の指示を仰ぐ際に、適切な質問ができるかどうかは、仕事の成果そのものに大きな影響を与えるのはもちろんのこと、相手からの評価を大きく左右します。
特に、新入社員もしくは中途採用として入社したばかりの人、あるいは若手社員のような、その業務における現場経験が少ない人にとってはプレゼンスキルよりも、むしろ、「質問スキル」のほうが重要だと私は考えています。
なぜなら、彼ら彼女らは周囲の人と比べてもっている情報や知識に大きなギャップがあり、それを埋めないことには会社組織やチームとしての生産性は向上しないからです。
地頭の良さそうな質問は誰にでもできる
その一方で、質問の仕方というのは、なかなか教わる機会はありません。近年、学校教育ではプレゼンや議論で意見を伝えるスキル向上の機会は増えていますが、「相手に適切な質問をするスキル」はすっぽり抜け落ちているように感じます。
質問をするたびに自分のした質問の良しあしを、相手が直接判断してくれたらまだマシなのですが、なかなか指摘してもらえないのではないでしょうか。相手は「それさっき話したことなんだけどな」「それ、今、重要?」と心の中で思っても、話が脇道にそれてしまう可能性もありますし、「質問の仕方」について適切なフィードバックを与えるのが難しいのだと思います。
私自身、これまで予備校講師時代に1万回を超える質問を生徒から受けてきました。その中で、伸びがすごく期待できる質問をしてくる子と、伸びに時間がかかってしまいそうな子の質問が明らかに異なることに気づきました。
特に、伸びに時間がかかってしまいそうな子の質問、つまり、筋があまり良くない質問には2つのパターンがあることが分かったのです。
質問はセンスのように思われることもあるのですが、実は頭の使い方ひとつで、適切で地頭の良さそうな筋の良い質問をすることは可能です。実際、筋の良くない質問をしてくる子に「適切な尋ね方」を指導したところ、みるみる筋の良い質問ができるようになっていきました。
それでは、筋の悪い質問には、どのようなパターンがあるのでしょうか。