富裕層の大半が恩恵を受けている優遇税制
なぜ税率は高いのに税額は低いのかというと、日本には、配当所得(株式の配当金などの所得)に対する超優遇税制があるからです。
配当所得は、どんなに収入があっても所得税、住民税合わせて一律約20%でいいことになっているのです。20%というのは、平均的なサラリーマンの税率とほぼ同じです。
これは、配当所得を優遇することで、経済を活性化させようという小泉内閣時代の経済政策によるものでした。
富裕層には、持ち株の配当から収入を得ている者が少なくありません。富裕層の大半は、この優遇税制の恩恵を受けているのです。
また配当所得者に限らず、「経営者」「開業医」「地主」など富裕層の主たる職業ではだいたい税金の大きな抜け穴が用意されています。名目通りの高額の税率を払っている富裕層はほとんどいないといっていいのです。
国会に提出された資料でも、日本の実質税負担率は所得が1億円になるまでは税率が上がっていきますが、1億円を超えると急激に税率が下がるというデータがあります。