岸田首相の「聞く力」は「差別主義者の声を聞く力」
恐らく、コロナ対応とウクライナへの支援表明、そしてロシアへの批判姿勢が岸田氏の支持率を上げたのだろうが、円安・物価高はテレビがさほど問題視しないので、そこは批判されない。結局、情弱はテレビを主な情報ソースにしており、テレビがコロナとウクライナのことばかり扱えば、岸田氏が必死に頑張っているように見えるのだろう。
岸田氏は「コロナ対応に関しては当面、ここ2年間の方針をそのまま継続するのが無難だろう。そうすれば、支持率は維持できる」と確信しているのだと思う。だから少数派である「コロナをそれほど恐れてない人々」「マスクを着用しない人々」「ワクチンを打たない人々」を軽視できるし、多数派が少数派のことを「利己的だ」「社会全体のことを考えろ」「人殺し」などと罵倒することにも目をつぶっていられる。岸田氏の「聞く力」は「多数派である差別主義者の声を聞く力」である。
「私は他の人のために配慮ができる、立派な人物である」と信じてやまない人々は、コロナ騒動で久々に訪れた「公然と差別できる正当性」に快感を覚えていることだろう。そして政権は、少数派を叩く人々(つまり多数派)からの支持をなにより重視している。
今後、諸外国がコロナの混乱から脱却し、平穏な日常を過ごせるようになったとしても、日本は変わらずコロナ騒動に明け暮れているに違いない。
・コロナ騒動で明らかになったのは、「他人に迷惑をかけない」「他人のために自分は我慢をすべき」という日本人に染みついた2つの行動規範である。
・現在、批判の対象としてやり玉に挙げられているのは「コロナを恐れない人」「マスクをしない人」「ワクチンを接種しない人」という3属性。
・コロナに関して多数派とは異なる意見を持つ人々を、容赦なく攻撃する風潮。その背景にあるのは、人間が隠し持っている醜い差別感情である。そこから脱却できないかぎり、日本のコロナ騒動は終わらない。