巨額の資産を持っていても質素倹約

こんなエピソードもあります。2005年、バフェットとビル・ゲイツがネブラスカ大学リンカーン校で学生を前に公開対話を行った時、学生が「100ドル札を落としたら拾いに戻りますか。それとも貧しい学生に拾わせてあげますか」と質問したところ、バフェットはこう答えました。「もしビルが10セント落として出て行ったら、私が拾う」(『バフェット&ゲイツ後輩と語る 学生からの21の質問』)

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バフェットにかかれば300ドルはもちろん、10セントであっても10年、20年後にはそれなりの金額になります。バフェットの「倹約」はお金持ちかどうかに関係なく、習慣として体の一部になっています。ぜいたくをしだせばきりがなくなります。バフェットは公私ともに質素倹約を守り続けることで、グループ各社に良き手本を示そうとしているのです。

お金を稼ぐのは「好きなことをやるため」

バフェットもチャーリー・マンガーも若い頃から「お金を稼ぐ」ことに関してはとても貪欲でした。2人とも若い頃から「お金持ちになりたい」と明言していましたし、それを隠すことはありませんでした。「自分はいずれ金持ちになると信じていました。それについては、一瞬たりとも疑ったことはありません」(『ウォーレン・バフェット 自分を信じるものが勝つ!』)と言い切っていたほどです。

そして金持ちになるために早くから学び、実践した結果、2人とも巨大な資産を手にするようになったわけですが、だからといって2人はそのお金を使ってぜいたくをするわけでもなければ、自分が大金を持っていることを誇るわけでもありませんでした。

それどころか私生活は質素で、バークシャー・ハザウェイがどれほど巨大になろうとも、アメリカの企業の経営者がよくやるように多額の報酬を得ることはありませんでした。

2人にとってお金を稼ぐことは「自立」への道であり、自分が大好きなことをやるためにお金を稼ぐことが必要だったのです。