自動車大国に住むアメリカ人の憂鬱
イラン戦争の膠着化で、トランプ大統領はかなり追い詰められているようだ。ここまで、同氏は強気の発言を繰り返してイランサイドを脅してきたものの、イランとしてもホルムズ海峡の事実上の封鎖によって対抗している。
専門家の間では、「むしろトランプサイドのほうが切り札がなくなっている」との指摘もある。また、米国の有力紙は、「トランプ氏はイランにカモにされている」との記事まで出ている。イラン戦争は、トランプ氏の支持率にマイナスに寄与していることは間違いない。
ホルムズ海峡の航行が阻害されていることで、世界経済に与える影響は深刻だ。それに伴い、世界的に物価の上昇が鮮明化しつつある。自動車大国の米国では、全国平均のガソリン小売価格が、1ガロンあたり4ドルを上回った。
日経平均株価の終値を示すモニター。前週末終値比821円18銭高の6万0537円36銭となり、終値として初めて6万円を突破、史上最高値も更新した=2026年4月27日午後、東京都中央区
トランプ氏の任期はまだ2年以上ある
影響は、ガソリンだけではない。ペルシャ湾岸周辺の石油化学関連プラントの被害により、広い範囲のモノやサービスの価格は上昇しはじめている。
トランプ大統領の先行き不透明な政策が、わが国の経済や企業業績に与えるリスクも大きい。トランプ氏は何を言うか、何をするか、全く予測ができない。
世界最大の経済大国のリーダーの政策が読めないことは、世界の政治・経済・安全保障などさまざまな分野の重大リスクになる。この状況が、トランプ氏の任期が終わる2029年1月まであと2年以上続くと思うと、それだけで気が滅入ってしまう。困ったものだ。

