ナフサ危機が日本のメーカーを直撃

原油、LNG、ナフサ、アルミ、肥料原料の尿素、半導体やデータセンター建設に不可欠なヘリウムの価格は上昇した。わが国では、ナフサ不足でユニットバスの供給が困難になるなど、実体経済への影響は深刻だ。

米国では、ガソリン価格上昇が鮮明だ。3月、米国の消費者物価指数は前年同月比3.3%上昇だった。前月の同2.4%上昇から跳ね上がった。ガソリン価格は同18.9%、前月比では21.2%上昇した。4月23日時点の全米小売り平均価格は、1ガロン当たり4.031ドルだ。

米国のガソリン小売価格と、インフレ予想には高い相関関係がある。米国の物価上昇懸念は高まり、予想外に連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ再開に動くことも想定される。米金利の上昇はそうした予想を反映している。

「アメリカvsイラン」は本当に終わるのか

中東で戦闘が続き、米金利が上昇すると、グローバルな資金は米ドルに向かう(有事のドル買い)。新興国や日本などでは、自国通貨の減価と、モノやサービスの価格上昇の掛け算で、輸入物価は上昇しつつある。一部の国では、かなり深刻になりつつある。

4月23日、フィリピン中銀の利上げは象徴的だった。約2年半ぶりの利上げ幅は、一部投資家の予想を上回った。フィリピン中銀は、追加の利上げの必要性にも言及した。物価上昇への危機感はかなり強い。

背景にあるのは、当面、世界の供給体制は不安定化するとの見方だろう。リビアの教訓から、イランが本当に核開発を放棄するとは考えづらい。地下施設を作って開発を続けるなど、監視を逃れるすべも考えられる。

今後、トランプ政権が、イランと本当に休戦できるかは予断を許さない。イスラエルがイラン、レバノンなどへの攻撃を一方的に仕掛ける恐れもある。ホルムズ海峡の船舶航行リスクは高止まりし、エネルギー資源や基礎資材の需給が追加的に逼迫する恐れは高いだろう。