ビジネスの場では、頭をまっすぐに維持すれば有利になるかもしれないが、社交の場でまったく頭を傾けずにいると誤解されるおそれがある。ナイトクラブやバーで女性に声をかけるときには、意識して頭をどちらかに傾けるほうがいい。

頭をまっすぐにしたまま近づいていくと、女性に警戒されるおそれがある。あなたには悪意がないのに、女性に「要注意人物」と思われてしまったら、その女性と親しくなるのは不可能ではないにせよ、困難になる。

忘れてはいけない「受容」のシグナル

3 「本物の笑顔」を見せる

笑顔は強力な〈好意シグナル〉だ。にっこりしていれば魅力的に見えるし、好感をもたれやすくなるうえ、我が強い人だと思われにくくなる。

写真=iStock.com/recep-bg
※写真はイメージです

笑顔は、信頼、幸福、熱意をあらわし、もっとも重要なことに「受容」のシグナルを送る。笑顔は好意を伝え、微笑んでいる人の魅力を高めるうえ、「にっこりと微笑む」というそれだけの行為で、「あなたを受け入れます」というメッセージを送ることができるのだ。

にっこりすると、エンドルフィンという脳内物質が分泌され、まず当人がいい気分になる。そして微笑みかけられた相手は、笑顔を返さずにいるのが難しくなり、思わず微笑み返してしまう。すると、あなたが微笑みかけた相手もまたいい気分になる。さらには、自分をいい気分にさせてくれた人のことを好きになる。

ところが、笑顔には一点だけ問題がある。

科学者のみならず、観察眼の鋭い人なら以前から気づいていたように、笑顔には「本物」、すなわち心からの笑顔だけではなく、「作り笑い」や「愛想笑い」がある。「本物」の笑顔は、好意をもっている知人や、知り合いになりたいと思っている人がそばにいると、思わず浮かべてしまうものだ。

一方「作り笑い」はたいてい、社交上の義理をはたしているときや、仕事の必要上、相手に好意をもってもらいたいときに利用する。

作り笑顔は逆効果

自分を好きになってもらいたいなら、心からの笑顔を浮かべなければならない。

笑顔が本物かどうかを見分けるシグナルは、口角が上がっていること、目尻に皺が寄り、頬も上がっていることだ。作り笑いは、どちらかに笑みが片寄っている場合が多い。右利きの人は顔の右側に、左利きの人は顔の左側に笑みが片寄りやすい。

また、作り笑いはタイミングが遅くなりやすい。本物の笑みより遅いタイミングで浮かび、不自然なかたちでしだいに先細りになる。