食品からの摂取量は「女性と若者」が少ない
(2)食品から摂取する方法
そうはいっても、冬場に日光浴のみでビタミンDを確保するのは難しい方も多いでしょう。コロナ禍によって外出控えをしている方、リモートワークで家から出ることが少ない方もまだまだいらっしゃると思います。できるだけ意識的に外出をしていただきたいのはもちろんですが、不足しがちな冬場には積極的に食事によって補うのがよいと思います。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」ではビタミンDの1日の摂取の目安量が、18歳以上の男女ともに8.5μgと設定されています。しかし、「令和元年国民健康・栄養調査報告」によると、1人1日あたりのビタミンD摂取平均量は6.9μgとの結果が報告されており、摂取量が不足していることが分かります。
同調査の過去10年間のビタミンD摂取平均量をみると、若干の年変動はあるものの男女ともに減少傾向にあることや女性の摂取量の方が男性よりも少ないこと、年代別では60歳以上の男女に比べ、20歳以上の摂取量が少なくなっていることが分かります。
女性や若者は特に意識して食事からもビタミンDを摂る必要があると考えられます。
鮭、しらす、きくらげ、しいたけ、卵黄…
以下は、代表的な食品の可食部100gあたりのビタミンD含有量(μg)の例です。
・しろ鮭(焼き)39.0
・まいわし(生)32.0
・しらす干し(半乾燥品)61.0
・アンコウ(肝・生)110.0
・きくらげ(乾)85.0
・しいたけ(乾)17.0
・卵黄(生)12.0
「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より
乾物や卵など日常よく使う、また常備しやすい食品もありますので、毎日の食生活に上手に取り入れていただきたいと思います。
ビタミンDは、日光の紫外線から生成するだけでは地域や天候に左右される場合が多いですが、逆に食品から取り入れるだけでも不足しがちになってしまいます。
国立環境研究所のホームページでは、全国10カ所の測定地点において、1日に必要なビタミンDが生成されるのに必要な時間と、日焼けで赤くなり始める時間の2つがグラフと表にまとめられています。情報は30分ごとに更新されていますので、日々こちらを参考にしていただきつつ、足りない分は食品で補うなど、工夫していただけるとよいと思います。