A氏もこのようにアメリカでは見た目で思考力や経済力まで判断され、区別されることを理解しながらもこれまで美容は手付かずでした。だからこそ、アメリカの経済誌で認められたということが、自信のあるパフォーマンスにつながったのです。

「サイレントメイク」はビジネスマンの強い味方になる

誰かに指摘されるよりも、自身で気づくこと以上の大きな効果はありません。自身の見た目の変わりぶりを目の当たりにし、ビジネスへの影響の大きさも実感したからこそ意識も変化したといえます。

もう1つは「ナチュラルさ」です。いかにも肌に塗っていると分かる「やりすぎメイク」ではなく、肌のトラブルをカバーして「整える」レベルだったことで抵抗感が薄れたのでしょう。

この夏、弊社のクライアントや講義を聞いてくださった方、20代から50代の方に色つき日焼け止めを勧めました。色つき日焼け止めはブラウンやベージュの色がついていて、BBクリームやファンデーションのように肌の色を均一に仕上げます。職業は営業職、会社経営者、政治家と多岐にわたりますが、「目元のクマや髭剃りの跡の黒ずみを消すことができて、自信が持てた」というのが共通の反応でした。

あるクライアントは、コロナ禍で急速に進んだ会議や飲み会のオンライン化で、ディスプレーに映る自分の顔をまざまざと見つめる時間が増えたことで、普段気にも留めていなかった、シミやシワなどの老化にも気付いたそうです。

そして色つき日焼け止めはクレンジング剤で顔を洗うことから、洗顔後、保湿のために化粧水やクリームを塗るなどスキンケアもきちんとするようになり肌もどんどんきれいになりました。このように自分の新たな可能性も見いだすことができ、会議にも積極的に参加できるようになったとのことです。

オンライン会議が当たり前になった今、印象の面はもちろん、自信につながるツールとしてもメイクは重要なツールとなっていくと考えています。

ただ、女性がメイクをしても印象が悪くなることはないのに対して、男性の場合、程度次第では悪印象になりかねません。そのため、主張しない「サイレントメイク」のセンスが問われるのです。

どんなメイク用品を使えばいいか分からない方は、メイクの先輩である身近な女性にアドバイスを求めることをお勧めします。自身の印象の戦略を立てるには、第三者の目線が何よりも重要だからです。今後、「美容」は男女のコミュニケーションツールとしての役割も担っていくでしょう。

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