無能な上司はネットに晒される「あの課長ってさ……」

同社の管理職は現在、部下とのコミュニケーションを促進するためにいろんなことをやっている。しかし人事担当役員は、それによって無能な管理職が炙り出されていると語る。

「良いと思うのは、朝の始業時間にショートミーティングをオンラインでやる上司です。それぞれの役割分担を確認しながら健康状態も観察できます。そうかと思うと、業務時間中はずっとオンライン状態にしておけと指示する上司も結構います。部下から人事に『上司はずっとオンラインをつないだままにしておけ、と言っています。監視されているようで気持ちが悪い。これってどうなんでしょうか』というメールがきました。上司は部下とつながっていないと気がすまないのでしょうが、部下にとっては最悪です。人事に部下からいろんなメールが届きますが、上手く部下を管理できない上司が炙り出されている」

できない上司に対する不満の声やタメ口など目上の者に正しくない口のきき方をするケースは昔からあったが、それは一部の職場の知る人ぞ知る世界だった。今では気軽に人事部に相談できるようになり、上司のマネジメント力がさらけ出されるようになっている。こうした上司は当然、昇・降格審査でも問題にされるのは間違いないだろう。

ちなみに無能な上司はネット上にさらされていると人事担当役員は語る。

写真=iStock.com/oatawa
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「今の管理職は、部下がネットを通じてメンバー内だけではなく、会社の同期など横のつながりで上司の悪口などを拡散していると思ったほうがいいでしょう。LINEはあるし、グループウェアでチャットもできますし、裏コミュニケーションが昔以上に発達しています。『あそこの課長、言うこととやることがコロコロ変わるよね』とか『部長の前ではおとなしいけど、部下の前では性格がガラッと変わる』とか、いろんな情報が出回っていると、管理職も思ったほうがよい。個人的には管理職に緊張感を持たせるにはすごくよいことだと思います」

社内のネットツールを通じた「裏コミュニケーション」の進化によって、逆に部下だけではなく、他の部署の社員にも監視されるようになっている。

部下の面倒より、上司の覚えがめでたければ出世できた時代とは打って変わり、上にも下にも気を配らなければならない管理職受難の時代が始まろうとしている。

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