高度なあいづちは相手の発言をよく聞かないといけない
英語のあいづちが日本人にとって大変なのは、より「つながり」志向で、相手の言い方に呼応させなければならない表現群があることだ。
(五郎丸家のみなさんにたまたまお目にかかったんだ)
B : Did you?
(そうなの?)
このDid you?というあいづちは日本人にはなかなか高度だ。I sawと言っているからI とはつまりyouのことで(ここまでは大丈夫か)、sawは過去形なので、you saw them?ということだが、それだとあいづちにならないので、saw …… 以下をひっくるめてdidで代用させる。これが現在形ならDo you?だし、SheならDid she?だ。こんな芸当をこなすには練習がいる。さらに、
(私の娘もお宅の会社のエンジニアなんですよ)
B : Oh, is she?
(あら、そうなんですか)
というあいづちのしかたも日本人にはちょっと難しい。
「私も!」は「Me too!」と言っておけば良い、とは限らない
さらに、この形式のあいづちとして、日本人にとってさらに高度なのは、「~も」という表現だ。「私も!」と言う時に、
(もつ焼き大好き!)
B : So do I.
(私も!)
のように、相手がI loveという言い方をしているので、(So)do Iになる。「~も」というあいづちには、倒置が起こる(疑問文と同じようにDo Iなどになる)。
(こわー)
B : So am I!
(僕もー)
の場合は、相手がI amという言い方なので、(So)am Iと答える。これも倒置の形で、過去形I wasなら、
(ゆうべ徹夜しちゃったよ)
B : So was I.
(私もなの)
となる。相手の言っていることと文法的にも「つながって」いなくてはいけないのだ。
Me too.というあいづちなら相手の言い方にかかわらず使うことができる。このほうが楽ちんだ。ただ、これもちょっと日本人にはやっかいで、相手が否定だと、
(土曜日は休みなんだ)
B : Me neither.
(僕もだよ)
と答える。「つながり」志向もなかなかやっかいである。