日本人のうなずき方は白人女性に近い

あいづちには、微妙だが、人によって違うところもある。しかも、誤解し合う可能性がある違いである。アメリカの白人(おおざっぱだが)の男女のあいづち(うなずき)を観察して、調査した研究がある。

それによると、アメリカの白人女性があいづちを打つのは「あなたの話を聞いてますよ」というシグナルで、白人男性があいづちを打つのは「同意します」というシグナルであることが多いらしい。

となると、アメリカの白人男女の会話だとどういうことが起こるか。女性にとって、相手がうなずけば聞いてくれていると思えるので安心して話せるが、男性は同意した時にしかうなずかないので、自分の話を聞いてくれていないかのように誤解する。

男性のほうからすると、相手の女性がうなずいてくれているので、同意してくれていると思うが、あとから同意していないことがわかったりすると「なんだコイツ!」的な印象をもってしまう。男女のそれぞれの特徴をわかっていないと、お互いに誤解し合う可能性があるとされる。

ミーティングで説明する女性
写真=iStock.com/fizkes
※写真はイメージです

一般的にいって、日本人のうなずき方は、この研究の示す例でいうと白人女性のそれに近いだろう。実際は、もっとうなずく。テレビなどで、タレント、有名人のインタビュー、一般人の街頭インタビューを見ていると、自分が話している時にもうなずきながら話す人が多い。善し悪しはともかく、英米圏と比べると、日本人はうなずき過ぎる印象を与えるかもしれない。

「Really?」を「ほんと?」感覚で使うと無駄な反応を生む

Really?というあいづちは、言い方によっては、「ウソついてるんじゃないの?」というニュアンスになることもある。それゆえか、日本人としては軽いあいづちのつもりで言ったReally?が、英米人相手だと思わぬ反応を受けることがある。日本語の「ほんと?」と英語のReally?の反応のしかたを観察しているとずいぶん違う。

いずれも抑揚などによって異なるが、日本語では、実際に確認しているような感じでなければ、だいたい相手は流す。「ふーん」「へー」に近い。ところが、英語でReally?と言うと、本当に本当か(笑)を確認しているように解釈され、Yes/Yeahなどと(日本人からすると)イチイチ(笑)反応してくる。

また言い方によっては、疑っていると思われる可能性がある。あいづちとしては語尾を下げてReally?というとよい。あるいは、Oh, reallyOhをつけると、疑っていると思われにくい。語尾を上げて連呼すると、嘘に聞こえると思われかねない。