陽性者数抑制のため、テレビはコロナの恐怖についての報道を繰り返しました。感染者は連日のように速報が流れ、「過去最多」と大々的に報じられました。PCR検査や欧州の感染爆発の様子、ほっとさせるワクチンの話題かと思えば副反応を大きく取り扱い、視聴者に「警鐘」を鳴らし続けていました。

本稿の冒頭でも紹介したように、日本の感染者数は世界的にも圧倒的に少なく、死者数も抑えられている状況でした。テレビ報道はそれには触れず、規則的に話題を次々と投入しました。

テレビの手法10パターン

テレビの手法は以下の10パターンに示すことができます。テレビのコロナ報道を見る際には、このパターンを頭の片隅に置いておきましょう。今後もヒステリックなテレビ情報を冷静に見るうえで大切だと思います。

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1.朝、昼、夕と内容に関係なく、とにかく繰り返し延々と情報を流し続ける。
クルーズ船や物不足の行列を延々流し、陽性者数報告も大震災のようにテロップで常に掲示し続けました。他のニュースはかき消されました。脳内がコロナで埋められていきました。

2.知られていない専門用語を次々に繰り出し注意をひき続ける。
嗅覚味覚障害、頭痛、脱毛、PCR、オーバーシュート、ロックダウン、緊急事態宣言、変異型、後遺症など難しいキーワードが繰り出されました。抗体保有率もその一つです。「次のワードを当ててみよう」というクイズを患者さんとしていました。

3.これまでの知識が役に立たない無力感を作り、専門者に従わせる。
いつものカゼのように体調変化は自覚できず、人にうつす可能性が常にあると不安にさせました。

4.身近に危険が常にあることを知らせ続ける。
高齢者は致命的になる、若者は知らないうちに高齢者にうつす。少しでも持病があると悪化するとしました。家庭内感染の可能性とか、被害のほとんどない子供たちの休校もその一つです。

5.わかりやすいアイコンを作り問題を条件反射的に意識させる。
皆さんがご存じの通りです。特定の人物や透明な板などによる条件付けが完了すれば見かけるだけで、「コロナが危ない」と意識にのぼります。オートマティックです。

どれも考え抜かれた手法

6.全体像や比較を見せず部分だけの作業を行わせ、全容の把握を阻害する。
日本は、海外流行の中でどこに位置するのか示されませんでした。アジアオセアニアの被害の少なさの報道は皆無で、海外の映像といえば悲惨なものだけでした。方針決定で医療者どうしが議論する映像はなく、その都度従えばよいという決定だけが下りてきました。

7.従わないと大切な家族に災厄が起きると自責の念をいだかせる。
自分が失職しても倒産しても家族が分裂しても、うつになっても、学業が失敗しても、「他の人や社会のために」引きこもってコロナ対策をするよう喧伝されていました。