顧客に準備する時間もスケジューラーに記入
2つ目の習慣は「計画をスケジューラーに記入する」ことです。
一般的なスケジューラーの使い方は訪問や会議のほか、出張や休暇といったオフィスを不在にする理由を記入することだと思います。ただ私が提案する計画はもっと細かいものです。15分あるいは30分単位で細かく業務の計画を作ります。最初は「顧客のA課長に商品Bについてフィードバックをもらう」といった簡単な入力で構いません。
ポイントはここからです。顧客のA課長にフィードバックをもらうためには、どう話を切り出し、何を伝え、質問を受けた場合にどう答えるのか、入念な準備が必要です。その準備をする時間も、スケジューラーに記入して確保します。
顧客にコンタクトできない2大理由は「自信がない」「時間がない」です。自信を得るために準備し、実行するための時間を確保すれば、思ったとおりのペースで顧客にコンタクトできます。
なかでも重要な顧客との電話については、「アイスブレーク・トピックス」「トーキング・ポイント」「FAQ(よくある質問)」の3つの項目を用意してスケジューラーに記入します。
計画を通じて得る自信は、受験勉強やスポーツの準備を通じて得る自信によく似ています。余裕をもって本番を迎えるために、逆算して行動計画を立てていくのです。こうして1日単位の仕事の計画を詳細に作成します。
この習慣を身につけるポイントは「やらされ感」を排除し効果を実感することです。まず1日1件、しっかり準備した予定をスケジューラーに記入してみます。自分の仕事の質がぐっと向上したことを実感できるでしょう。これを徐々に2つ3つと増やしてゆくと、自分自身が計画に頼り始めます。
チームの動きを可視化し緊張感を確保する
3つ目がスケジューラーに記入した計画を「上司や同僚に公開する」ことです。
テレワークの課題として挙げられるのは、結果が出る前のプロセスが見えにくく評価しづらいことにあります。多くの担当者は営業成績に加えて、その過程も評価されることを望んでいます。スケジューラーに取り組んできた内容を細かく入力しておくことで行動の履歴となり、フェアな評価の判断材料となります。
スケジューラーが従来のように「不在理由の表明」にとどまっていると、人事評価が心配になり、上司への不要な報告に時間を割かれがちになります。顧客のために使う時間が減ってしまい、結果的に営業成績が振るわないなんてことになりかねません。
そして各担当者の行動履歴を同僚に公開することによって適度な緊張感とチーム・ワークが生まれます。オフィスに出勤していると、同僚が顧客と電話する声が漏れてくるなどして、成績向上のために発奮しようと思います。
それと同じでたとえテレワークであっても、行動を公開することで互いの動きが見えるようになり緊張感を確保できるのです。また、相談を持ちかけるタイミングがわかりやすく、雑談による情報交換などのきっかけをつかみやすくなります。