地方移住にはこれだけのメリットがある
年収が以前の3分の1になったこゆ財団の方ですが、それでも「100倍幸せ」と言えるのは、やりがいのある仕事をしていること以外にも大きな理由があります。それは、地方に移住したことです。
地方に住むメリットとして、まず生活コストが安いことが挙げられます。地方は住居費が安いですし、場所にもよりますが、タダ同然といえるほど安価な空き家がたくさんあることも少なくありません。食べものも安価です。また、農家の人があまった野菜をくれたりします。
実際、こゆ財団の事務所には、いつも近所の人たちからもらったフルーツや野菜があふれています。しかも、そのフルーツや野菜の美味しいこと。東京の高級スーパーで売っているトマトより、農家の人にもらったトマトのほうが、何倍も美味しい。食の満足度だけで年収差が吹き飛ぶくらいです。
ホリエモンこと堀江貴文さんも、低賃金にあえぐ若者に対し、「田舎に引っ越せば、生活コストは5分の1以下になる。田舎でも娯楽はあるし、工夫すれば安く暮らせる」とアドバイスしています。
この意見に関しては、私も同感です。もしなんらかの事情で、年収が3分の1になったとしたら、地方に移住するというのは一つの手だと思います。宮崎県でもいいし、幸福度ナンバーワンの沖縄県でもいい。もちろん他の県でもいい。もっといえば、東南アジアなど、物価の安い国へ移住する選択肢だってあります。
言葉がしゃべれないなら、勉強すればいいのです。「自分の人生は、変化、学習、成長に満ちている」と思える人は、そうでない人より幸せを感じられるというデータもあります。
年収が3分の1になっても幸せになれる方法はある
ただし、移住にあたって注意すべきことがあります。地域にどう溶け込むか、という問題です。とくに沖縄は、地元民を「ウチナーンチュ」、県外から来た人を「ナイチャー」と呼ぶことからもわかるように、昔からの仲間を大切にする風土が残っています。沖縄に移住した知り合いは、30年経ってようやく「ウチナーンチュ」として認められたと言っていました。
どんなコミュニティでも、元々いた人と新しく来た人のコミュニケーションは重要な課題です。地域活性化に成功したことで知られる島根県海士や、岡山県西粟倉村といった地域でさえ、移住者と地元民との関係性をさらによくすることが課題だと言われています。
幸せな移住をするには、その土地の風習や文化を理解することが大切です。そして、積極的にコミュニケーションをとって、地域に溶け込む努力をすることです。力仕事を手伝う、スマートフォンの使い方を教えてあげるなど、地域の人のためを思って親切にすることは、自分の幸せにもつながります。
幸福学では、「日々の生活において、他者に親切にし、手助けしたい」と思っている人は幸福度が高いことが知られています。この課題さえクリアできれば、地方移住はあなたに大きな幸せを運んでくれるかもしれません。
年収が3分の1になったとしても、幸せになる方法は、意外とたくさんあるのです。