テドロスと習近平はじっこんの仲

遠藤氏は上記記事で、テドロス事務局長について「習近平国家主席とは入魂じっこんの仲」「中国の王毅外相とも非常に仲が良い」と述べています。

実際、WHOのテドロス氏は明確に中国を称賛する発言をしています。

「中国の対応も過去にないほど素晴らしい」
「中国の尽力がなければ中国国外の死者はさらに増えていただろう」
「中国の対応は感染症対策の新しい基準をつくったともいえる」
「習近平国家主席のリーダーシップを他の国も見習うべきだ」
「中国国外の感染者数が少ないことについて、中国に感謝しなければいけない」

目下、感染拡大の渦中にある米国は、今回のパンデミックの責任は中国政府の隠蔽工作や、虚偽の情報発信にあり、防疫対策を怠った責任について厳しく非難しています。米国政府によると、中国政府はウイルスの発生した事実、感染者数、症状の事実を隠蔽、歪曲したことで他国の防疫対策の遅れを招いたと痛切に指摘をしています。

「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的に設立されたWHOが中国政府寄りの発言を続けたことで、「WHOは過度に中国寄りだ」と指摘されるのも無理からぬことに思えます。

WHOがパンデミックを引き起こしたのか

歴史を振り返ると、度々パンデミックは発生しています。直近では2009年の新型インフルエンザによるパンデミックがあり、日本でも2000万人もの感染者を出したことで記憶に新しいものとなりました。

今回の新型コロナウイルスについて、パンデミックになった理由はいくつかあります。まず、WHOが英語語彙で用いる“novel virus”、“new strain”には「これまでにヒトで検出されていなかった新しく発見されたウイルス」という意味合いがあります。今回の新型コロナウイルスについても、WHOは「novel coronavirus」としており、人類にとって未知であり、かつ抗体を持った人がいない中で流行し始めたことが感染拡大の一端を担っています。

未知の肺炎が中国の武漢で発生したのですから、いち早く国際社会やWHOへ正しい情報を報告することで各国が防疫対策を取ることができたでしょう。今の時代は網の目のようにグローバルサプライチェーンが張り巡らされており、ビジネスや観光などでも人の往来や、物流で物の流通が広がっています。未知のウイルスがその往来に乗って拡大することは予想できたことです。防疫対策をさせる機会を失わせたことで、中国政府の情報隠蔽や歪曲に厳しく批判が集まっているのです。

武漢で眼科医をする李文亮氏は、早くも昨年12月に新たなウイルスのアウトブレイクの危険性に気づき、インターネットを通じて投稿しました。その後、中国公安省の職員が医師のもとを訪れ、「虚偽の発信で混乱を招く行為は直ちにやめるように」と、情報の発信をやめる旨を書簡に署名させました。