社長就任に躊躇した時、背中を押した言葉

海外出張もときどきあって、それこそグループのエグゼクティブが一堂に会して「今後の戦略を話そうよ」というときも、当然周囲は基本的に「通訳なしで大丈夫」という人ばかり。そんななか、私一人がたどたどしい中学英語で頑張る。あまりにも言葉に詰まると、マネックスグループCEOの松本(大)をはじめ、英語の得意な人が助け舟を出してくれますが、やはり情けない。

実は松本は、そのあたりにとても寛容。私が外国人の前で変な英語をしゃべっていても、絶対に「その英語、おかしいよ」とは言いません。逆に、「おまえ、英語うまくなってきたよな」と言ってくれる。本当はそれほど上達していないと思いますが、そう言ってもらえることはとても大きいです。

そもそも私が社長に任命されたときも、「私、ビジョンを示してみんなを引っ張るタイプでもないんですけど」と渋る私に対して、松本はこんなふうに言ったのです。

「リーダーシップも英語と同じで、使わないと成長しないんだよ。英語も最初からできる人はいないし、リーダーシップも最初から身につけている人なんていない。使いながら少しずつ自分で改良して、成長させていけばいいんだよ」

この言葉に背中を押してもらいながら、これからも社員のみんなとともに、少しずつ成長していきたいと思っています。

(構成=長山清子 撮影=大槻純一)
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