同じことを何回も繰り返すのが向いていない

まずは英会話スクールに通いました。しかし「勉強しないとまずい!」という危機感から通い始めるものの、ちょっとその気持ちが落ち着き、仕事が忙しくなったりすると、通わなくなって……。でも何かのきっかけで再び危機感を抱くと、また通いだし……を繰り返し、結局やめてしまいました。

ほかにも、「まずはTOEICの点数を上げるほうがいいのかな」と思い、TOEICの勉強をしてみたり、「シャドーイングがいいよ」と言われたらシャドーイングを試してみたり、ニュースを英語で読んでみたりと、とにかく「これいいよ」と勧められたものは、片っ端から試しました。最近ではスカイプで話すオンライン英会話もやりました。

しかし毎回自己紹介をするのがちょっと億劫になってしまって、気づけばフェードアウト。英語圏のドラマを見るのがいいと聞き、試したこともあります。でもいくらも見ないうちに、日本語字幕に変えてしまう。映画も、同じものを何回も見るといいと聞いてやってみたけれど、ストーリーを知ってしまうと見続けるのがつらくなってくる。

おそらく人それぞれ、自分に合った勉強法があるのでしょう。私もずっと自分に合う勉強法探しの旅をしてきました。その結果わかったのは、私は、同じことを何回も繰り返すのが向いていないということ。ですから、いまはスマホにアプリをたくさん入れて、英文ニュースを読んだりラジオを聞いたりして、空いた時間にできるだけ英語に触れるようにしています。ただ、それも危機感がないとなかなか続かない。

その点、英語で行われる会議の予定が入ると、危機感を持たざるをえなくなります。マネックスグループは日本、米国、香港などに拠点があり、1カ月に1回はグローバルのエグゼクティブが集まって各社の状況について話し合うのが通例。当然、マネックス証券の話は私がしないといけない。仕方なく、「ああ、英語イヤだな」と思いながら、準備をして話すということをやっています。具体的には、まず日本語で話すべきことを箇条書きにして、それを英語に訳す。

でも、それを読みあげるだけでは私がいる意味がなくなってしまうので、「どういう順番で何から話そうかな」というように、イメージトレーニングをして本番に臨みます。少し難しい内容のことも準備し、話さなければいけないという緊張があると少しずつ身についてきている気もしています。